Yebisu Room  ITコンサルティング社長の”限りなく個人的な日記”                                     " />

December 19, 2008

世界の誰一人も知らないこと


先日、ドバイ政府のバブル経済の終焉とも取れるニュースが出た。

そしてホンダのF1撤退が正式に決まった。


この二つは何を意味するのか。

この二つについて見解を述べたい。


世界を巡る金融システムは、簡単に言うと、世界にひとつでもどこかの国で
バブルが起きていれば、金は世界を回ってこの不況から回復に向かえる。
世界の金融情勢は支えあって生きているからだ。

今、世界経済が持っているバブルは、中国市場とドバイ市場のふたつのバブルだ。
だがこれがふたつとも終焉を迎える気配が出てきた。

海には海流があるから世界は夏もあり冬も訪れる。
それと同じように金融も世界を回ってバランスを取っている。
それが止まる気配があるということだ。

ドバイのニュースはとても大きな意味を持つ。


もうひとつはホンダのF1撤退。

ホンダさんはリーマンショックよりもずっと早期に経済予測をし(もちろんシナリオはいくつもあると思うが)コストに関しての調整を早期に行ってきたんだと思う。
苦渋の選択。


F1自体、自動車レースだが、今は北米・欧州への車の宣伝のために自動車メーカーは
参戦しているが、この世界不況に北米も欧州も車が売れなくなっているなかで400億以上毎年投資を続けるだけのリスクを負っていいのかとホンダさんは判断したのだと思う。

僕はF1が好きなのだが、好きな方なら理解できると思うが、
本当は僕が注目しようとしていたのは1月から始まるF1の新車発表会の模様で、F1チーム、およびF1レース自体に投資をしてくる企業、業種は果たしてどこなのか?
ということだ。

そこがこれからの企業と業種だからだ。

歴史から見ても、F1のスポンサーの入れ替わりはその時代その時点のプロフィットを
あげている企業が分かる。

かなりタイムリーにだ。

消えた企業は投資が出来なくなったから消えるという単純な理由だからだ。

それがスポンサーでなく今回チームだった。

思えばだがアグリチームが期の途中で破綻してF1を去ったが、たぶん去年からのサブプライムローンの影響でスポンサード予定の企業が投資を断念したからだろうと推測している。


ホンダのニュースはとても大きな意味を持つ。




ではなぜこうなったのか?

グローバルな視点で経済の悪化を感じたのは
やはり昨年の米国のサブプライムローンの悪化だ。

この商品は、金融商品が複雑に絡み合って、不動産を証券化しているのだが
発生したときには金融と不動産が繋がって負の連鎖を起こしていることに不安を感じていた。
このアメリカ発の証券を世界中が買ってしまっていたからだ。

土地については、証券化された不動産が米国で不良債権になってしまっているが、実はサブプライムローンだけでなく、今ではプライムローン層にまで飛び火している。


要は実際の不良債権および予備軍を含めた損失額は、世界の誰一人も把握していない。


ここが一番の問題なのだ。



日本もここで土地の値段は下がっているが、実は20年、30年後を考えると、人口が激減しているので需給バランスが崩れて土地が余りだす傾向にあるとも聞く。

不動産は担保にならない時代になっていくのか。

こうした金融+不動産の、世界的に影響するだろう問題と同時に起こっている問題は、
温暖化、エネルギー資源の世界的な問題だ。


二つの大きな波が絡んでどこまで影響するのか。


原油高が今下がって落ち着きを見せてきたが、これもドバイのバブルが終焉しているからだろう。
現実には実際代替エネルギーの研究・確保をしなければ、今後の日本のエネルギー問題は解決しない。

原子力でいいのかという問題もある。



そして問題なのは温暖化の異常気象による食物の確保だ。

日本が今一番やらなければならないことは農業政策だと感じている。

わが国の食物の依存率は輸入が高く、自国生産で農家が利益を十分確保できていないようだ。
農家、漁師が廃業していくことを食い止め、国内での自給率を高めないと
今後外国で生産された食物はその国で消費されることになると考えるからである。



リーマンショックからの世界同時株安。

実際、実体経済への影響はその時点で感じることは無かったが、法人側の世界では翌日にはあらゆる懸念から設備投資や情報化投資などが抑制され始めた。

昨年から町の商店街も販売不振で閉める店舗も多く見られたが、これと当時まだドルが強く、温暖化による食材の高騰などからもプロフィットを維持することが難しくなり、倒産した店舗も多かった。
今年の春には渋谷の商店街でさえ、いくつも閉店していた有様だ。

リーマンショックへの道はすでに昨年から起きていた。

法人への影響は、もちろんコスト削減につながる。
企業努力から会社運営にかかわるコストはどの企業もかなり削減して経営されてきたと思われる。
手を付けれるのは人件費の削減になるだろうから、リストラなど雇用調整が始まるかも知れないと考えていた。

家庭を持つものが失職する不安の中で生活するとなれば、確実に消費が激減する。誰もがそう思うはずだ。

消費が激減すれば、法人のプロフィットに影響する。

また雇用調整するか、終わるのか。
実体経済の負のスパイラルはこうして起こる。

消費が大切なのだ。



先にも述べたが、この世界経済の実態を知っている人物は世界に誰一人としていない。

景気の底、米国の不動産価格の底が予測できれば
折り返す。

だからいつまで、どこまで続くのか分からないでいる。
そういう不安が経済を活性化できないでいる。


が、反対に、『誰も把握できていない』ということは、
世界がひとつになってあらゆる政策に前向きに対処を続ければ、
解決してしまう可能性もあるということだ。



自分たちのみならず、未来の子供たちは誰が守るんだ?


日本はいろんな意味で実力のある国だ。
再生の鍵は、わが国にあるのではないか。


先日のニュースはそういう流れを表しているのだろう。


02:50:30 | optimalboss | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks